
金属スクラップ回収業において、“横流し”は会社存続を揺るがす不正です。搬入量のわずかなズレでも、それが継続していれば重大な損害を生む可能性があります。本記事では、最初は“些細な違和感”だった数値のブレが、複数取引先からの指摘を機に横流し疑惑へ発展したケースを紹介します。
そして、社内確認では掴めなかった“実態”に対し、第三者である探偵の秘密裏な調査が、事実把握と意思決定の材料となった過程も解説します。
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【この記事は下記の方に向けた内容です】
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- 回収量と帳票・搬入記録にズレが発生している
- GPSや走行記録にルート外の立ち寄りが確認されている
- 得意先から納品量の不足を指摘されている
- 社員本人に確認しても説明が曖昧・不自然な回答が続く
- このままでは取引先からの信用低下・契約見直しを懸念している
“横流し”を未然に防ぐために回収業者が取るべき具体的な対策とは
回収量のズレが増えている背景
金属スクラップ回収業は、搬入量=売上・評価に直結します。ところが近年、帳票データと実搬入量が一致しないケースが増えています。きっかけは小さな誤差でも、繰り返されるズレはただの計数ミスでは済まされません。社内の記録・GPS・ドラレコをいくら精査しても、“現場で何が行われたのか”が特定できないケースが増えています。現場巡回型の業務特性ゆえ、管理者の目が届かない時間帯・移動区間・立ち寄り先が存在する―ここに企業の脆弱性があります。この乖離を“見なかったこと”にすれば、取引先からの指摘=信用棄損へ直結します。
横流しが発生する主な原因と最近の傾向
横流しは単なる“一個人の悪意”ではなく、構造条件が揃った瞬間に現金化できてしまう仕組みの存在が根っこにあります。金属スクラップは、材質別単価差・含有率差・取引のスピード感が大きく、一般製品とは違い「痕跡の残りにくさ」が成立しやすい。 この“商材特性 × 現場工程のブラックボックス化”が、最近の横流しの増加要因です。
同じ金属スクラップでも、含有率や屑ランクで単価が大きく変わります。現場担当者が現物の価値差を把握している場合、「高単価だけを抜いて裏ルート」という行為は物理的に成立してしまう。帳票側は“総量単位”で処理されるため、数 kg のズレでは社内管理のアラートにすら乗りません。
GPS・ドラレコ運用は、いまや多くの回収会社が導入しています。しかし、問題はその“読解方法”。 現場は「主要ルートの近く」「産廃搬入路沿線」に非正規受け皿業者が存在し、10〜15分の“散布時間”で横流しが成立する。 この“短時間性”が、管理側の気づきを遅らせる最大要因です。
正規受け入れ業者では受け付けない「現場直持ち込み」を容認する裏受け皿の存在は、業界では“暗黙の既知”です。 買い手側は帳票を出さず“現金払い”→この瞬間に足跡が断絶する。 だから、社内照合では永遠に数字が埋まらない。 ここが一般業態の横領とは決定的に異なる点です。
つまり、横流しは「悪い人が悪いことをする」のではなく、“成立しやすい構造を放置すれば、誰でもできてしまう”という経済合理性が背景にあります。 この構造理解が抜けたまま内部確認だけを重ねても、追いつけないのが現実です。
横流しを放置すればどうなるのか|企業が直面する具体的な損害
問題を放置するリスク
「まだ確証がない」「一時的なズレだろう」──そう判断して何もしないことこそ、最も危険です。横流しは放置すれば被害が拡大し、企業としての信用そのものを揺るがす事態に直結します。 数量のズレは“誤差”ではなく、将来の損害予告です。具体的には以下のようなリスクが現実化します。
回収量に不審があれば、得意先は「管理体制に問題あり」と判断します。改善要求 → 契約見直し → 契約停止という流れは珍しくありません。
横流しは場合によっては窃盗・横領・背任として刑事事件に発展します。会社が賠償を請求されるケースも想定されます。
「管理が甘い会社」の印象が業界内に広がれば、採用にも取引にも影響します。広まるのは“事実”より“イメージ”の方が早いものです。
疑念が社員同士の目線に向けられると、内部の信頼は壊れます。情報共有が滞り、成果より“身の守り”を優先する空気すら生まれます。
金属スクラップ回収業で実際に起きた “横流し”疑惑 から事態が動いたケース
ある回収会社では、3か月連続で特定ルートの搬入量に差異が続き、同時期に複数取引先から納品量不足が指摘されました。社内では帳票照合・GPS・ドラレコの確認を実施したものの、「どこで抜かれているのか」がまったく特定できない状態。 しかし、調査範囲外の“立ち寄り先”で第三者の動きが判明し、裏受け皿となっていた業者の存在が浮上。これを基点に内部の不正アクセス(持ち出し)経路も可視化されました。このケースは、「放置=そのままズルズル損害が増え続ける」という現象が、現実の回収業界で起きているという事実を示しています。 「証拠が出てから動く」では遅い──これが管理者の共通認識になりつつあります。
横流しの“特定”には、社内では触れられない領域を扱える第三者調査が有効
探偵利用の有効性
横流しは内部で起きる以上、社内調査は「調べられる範囲」が最初から限定されています。 本人聴取・帳票照合・GPS確認──これらは全て “対象者はすでに想定済み”の対策です。 そのため、調査に動いた瞬間に情報が伝播し、証拠が消えるリスクすらあります。だからこそ “内部目線ではなく、外から見る” という視点が必要になります。 その機能を果たすのが 探偵による第三者調査 です。 単に「不正を暴く」ためではなく、経営判断の材料として、 “何が起きていたかを事実として知る”──この価値が最も本質です。
尾行・立ち寄り先観測・周辺聞き取り調査などを、対象者に気付かせず進められるため、隠蔽・証拠廃棄のタイミングを与えません。 社内では追えない “ルート外の時間” や “短時間立ち寄り” も、現場で実際に確認できるため、帳票では埋まらなかった「抜けた時間の中身」が立体化します。
証拠は表現方法・記録方法によって法的効力が変わります。 探偵は探偵業法に基づき、違法リスクのない形で証拠化できるため、 事後の社内処分・顧問弁護士・取締役会での判断に“使える形の素材”を残せます。
調査結果が「事実」として積み上がれば、次のステップに進めます。 刑事・民事(損害賠償)・社内懲戒──すべてロジックが異なるため、 連携先の法務対応に合わせた証拠整理が可能。
必要なタイミングで、訴訟・警察対応の土台に転換できる点は大きな強みです。
横流しの弱点は「行為の瞬間」は見えなくても「経路」には再現性があることです。 外部視点で流れを特定することで、次に起こる隙を塞ぐ“改善の根拠”を作れます。 内部の防止策は、感覚ではなく事実に基づいて再設計できるようになります。
横流しは、内部単独より“受け皿”があるケースが多い。 しかし外部事業者への確認は、社内が自ら行うと情報が漏れます。 第三者調査なら、裏受け皿となっている外部側の実在チェックや 受け入れ日時・受領形態の裏付けまで可能です。
探偵調査は「疑いを正解に変える」ためではなく、事実を把握し、判断できる状態にするための手段──その認識が、経営側にとってもっとも価値があります。
探偵による“横流し”疑惑の解明事例と実際の費用例
解決事例1|金属スクラップ回収会社 専務(50代)からの依頼
複数取引先から「搬入量が明らかに少ない」と指摘が続き、社内記録と照合しても原因が掴めず相談が寄せられました。探偵が対象担当者の勤務中の行動動線と、ルート外の立ち寄り先の現地確認を同時に実施したところ、短時間の停車を繰り返していた地点に“非正規受け皿業者”が存在することを確認。 さらに、そこの受け入れ実在確認まで到達。社内判断の基礎となる「横流しが成立していた可能性」を、第三者視点の記録として確保できたケースです。
- 対象社員の行動調査:8日間 32万円
- 立ち寄り先の受け皿業者現地確認:20万円
- 報告書作成・法務判断用資料の整理:10万円
合計:約62万円
解決事例2|中堅回収業者 管理部(40代課長)からの依頼
GPS照合でルート外停車は確認できていたが、「何をしていたのか」の部分が一切掴めず、社内調査では限界となり依頼。探偵が尾行と張り込みを重ねた結果、ルート外停車の数回中、特定日で“外部者との現金授受”とみられる場面を確認。 直接的断定はせずとも、“経済行為が成立している”瞬間の目撃情報が経営判断の転機となり、契約見直しと内部統制改善が進んだ事例です。
- 対象者の尾行・張り込み:6日間 30万円
- 当該地点での外部側動線確認:18万円
- 報告書作成・顧問弁護士確認用資料:12万円
合計:約60万円
解決事例3|鉄系スクラップ比率高い業態 代表取締役(60代)からの依頼
社長自身が“数字が合わない”違和感を持っていたが、ベテラン社員のため社内指摘は避けたいという状況で相談。 探偵が勤務中の動線記録+取引先受け入れ状況の裏付け確認を平行実施したところ、正規ルート以外での持ち込みが複数回(曜日パターンまで一致)していることが裏付けられた。 結果、会社としての判断材料が揃い、即時の処置ではなく“段階的縮退(配置転換→退職誘導)”という社内影響を最小化する対応につながったケースです。
- 行動軸の連続追跡:10日間 40万円
- 受け皿業者側の受入確認:22万円
- 報告書作成・社内説明資料テンプレ化:9万円
合計:約71万円
横流しの“不安”を放置しないために|経営を守る最後の判断軸
専門家にご相談ください
金属スクラップ回収における横流しは、 “数字上の違和感”から始まります。 しかし、その初期違和感が本格的な損害の入口であることは、調査の現場では珍しくありません。社内だけで照合・ヒアリングを繰り返しても、対象者にその動きを察知されれば証拠は一瞬で消えます。 だからこそ、内部だけで抱え込むのではなく、外から見える目線=第三者調査が“早期判断の材料”になるのです。「まだ確定じゃないから早い」ではなく、 “まだ確定していない今こそ”が動くべきタイミングです。横流しは、沈黙していれば自然に止まるものではありません。 経営を守れるのは、証拠が残っている今だけです。まずは一度、専門家にご相談ください。 選択肢を広げられるのは、いまです。
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週刊文春に掲載 2025年6月5日号
探偵法人調査士会が運営する「シニアケア探偵」が週刊文春に掲載されました。一人暮らしの高齢者が増加している背景より、高齢者の見守りツールやサービスは注目されています。シニアケア探偵も探偵調査だからこそ行える見守り調査サービスを紹介していただいています。昨今、日本の高齢者問題はますます深刻さを増しています。少子高齢化の進行により、多くのご家庭が介護や見守りの悩み、相続の不安、悪質な詐欺や被害などの金銭トラブルに直面しています。「シニアケア探偵」の高齢者問題サポートは、こうした問題に立ち向かい、高齢者の皆様とご家族をサポートするために設立されました。
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探偵調査員:北野
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この記事の監修者
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