
沿岸漁業で進む密漁は、収益の喪失・資源の枯渇・地域全体の漁業衰退に直結します。特にアワビ・ナマコなど高単価資源の盗難は、漁師の生活を短期間で揺るがしかねません。夜間の海上は可視化が難しく、漁師自身の見張りや撮影だけでは限界があり、証拠として記録を残しにくいのが現実です。本記事では密漁リスクが増えている理由と放置で生じる損害、そして秘密裏に行える第三者調査が“事実を把握するため”の現実的な手段である背景をわかりやすく解説します。
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【この記事は下記の方に向けた内容です】
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- 夜間に見慣れない船やライトを海上で目撃している
- 漁獲量が明らかに説明できない形で減っている
- 不審船・車両の情報を記録できておらず証拠化ができていない
- 漁師個人の監視では安全面と体力面の負担が大きい
- 被害の実態が“証明”できず行政・漁協に相談できない状態になっている
密漁を防ぐために漁業者が取るべき現実的な対策とは
密漁トラブルが増えている背景
沿岸漁業において、アワビ・ナマコなど高単価資源は地域の収益を支える“生命線”です。しかし近年、夜間に侵入する小型船による盗難が増えています。背景には、夜間の海上監視が難しい環境・漁業者の人手不足・監視設備の未整備などがあり、犯行側から見れば「リスクが低く、狙いやすい状況」が生まれています。しかも密漁は初期段階では可視化されにくく、漁獲量が減っても“自然減”と片付けられがちです。気付いた時にはすでに大きな損失が出ているケースも珍しくありません。こうした状況は漁師の心理的負担を増やし、生活そのものを脅かします。
密漁被害の主な原因と最近の傾向
沿岸漁業の密漁はひとつの犯行パターンだけではありません。いくつかの典型的な“型”があります。大きく分けると、夜間侵入型・陸上からの持ち出し型・漁協等の動線把握型の3系統が代表的です。最近はその複合も増えています。
最も増えているのが深夜~早朝に小型船で接近し、低速で停船して盗る手口です。暗闇・潮騒が“カモフラージュ”となるため発見されにくく、犯行時間も極端に短い傾向があります。
潮が引いたタイミングや夜間の浜・堤防側から進入するパターンです。船を使わないため発見が難しく、素早く現場から離脱できるため足が付かないケースもあります。
加工・出荷のスケジュールを“観察”された上で、漁師が海にいない時間を狙われる傾向も見られます。盗る側からすれば「見張りがいない=リスクが低い場所」と判断されやすく、一度侵入された場所は再び狙われる危険が高まります。
このように密漁は「夜の海に突然現れる小型船」だけではありません。複数のルートと動線を使い分けるのが現状です。漁業者は多角的に備えなければ、安全を確保することは困難です。
密漁が引き起こす漁場リスク
問題を放置するリスク
「まだ証拠が揃っていないから」「様子を見よう」――この“判断の遅延”こそが、実は最も危険です。密漁は、1回1回の被害ではなく、“黙っている時間が長いほど、盗る側のリスクが下がり、被害額は指数的に膨らむ” という性質を持っています。たとえばアワビ・ナマコなど高単価品は、1晩数十万円分が抜かれることも珍しくありません。これが週3回、月4週繰り返されれば、1シーズンで数百万円 ― 年を跨げば“漁場として継続不能”のラインに到達します。そして一度「盗れる海域」と認識されれば、別グループが便乗する確率も上昇します。つまり“放置”は、単なる現状維持ではなく、被害加速のスイッチを自ら押しているに近い行為です。
アワビ・ナマコのような回復に年単位を要する資源が“未成熟のまま抜かれる”ことで、翌期の水揚げ見込みが一気に崩れます。数量だけでなく、平均サイズ・平均単価まで下がり、翌期の収入計画そのものが成立しない現実に直結します。
一度「盗れる」と認識された漁場は、犯行側にとって“低リスク海域”としてマークされます。すると、別グループ・別地域の密漁者が連鎖参入し、週単位→日単位へ侵入頻度が加速する傾向があります。これは“2回目の侵入”が、ほぼ不可避になる構造です。
市場は“出所が不明な海産物が混入しやすい海域”を嫌います。正規品も同一視され、単価が下落します。1漁師の損ではなく、漁協単位の価格帯が崩れ、地域ブランドの回復に数年を要すケースすらあります。
“異常値”を数字として示せなければ、支援枠・パトロール強化の対象から外れる可能性があります。つまり、証明できない=守られないという現実。放置するほど、行政側の優先度テーブルから自海域が落ちていきます。
沿岸漁業で実際に起きた密漁ケース
2024年冬、国内の沿岸漁場にてアワビの収穫量が急減。複数漁業者から「夜間の不審船」の報告が挙がり、後に行政と海上保安庁の共同パトロールで、暗視装備を用いた組織的密漁グループが存在していたことが判明しました。彼らは、潮の流れ・月齢・漁協の作業時間帯まで把握して侵入。短時間で資源を抜き取り、証拠を残さず離脱できる手口でした。その結果、地域全体のアワビの市場価値が下落し、漁師らの出荷計画も大幅に狂ったと言われています。この事例が示すのは、「密漁は、気付いた時には被害の数字がもう“結果”として積み上がっている」という現実です。放置は取り返しのつかないダメージを残す危険があります。
密漁の全貌を掴むには “専門家による秘密裏な調査” が有効
探偵利用の有効性
密漁は「目撃」だけでは証明になりません。夜間・海上・潮位・船の動線…──状況要因が多い分、証明負荷が高い犯罪です。しかも、漁師本人が見張っていることが相手に“気付かれれば”、犯行時間帯や侵入ルートを変えられ、証拠化できなくなるリスクがいきなり跳ね上がります。だからこそ、第三者が外から静かに積み重ねる調査に価値があります。 探偵調査は「犯人当てゲーム」ではありません。 事実を“証明として残せる形で”固定化し、対策の意思決定が出来るレベルまで情報を引き上げるための行為です。
対象に調査の存在が悟られないよう夜間監視・暗視カメラ・赤外線センサー・潮位パターン合わせの配置計画等、露呈しない形で収集を進めます。これにより、警戒・ルート変更・一時的な潜伏といった“反応変化”を起こさせずに、自然発生の犯行をそのままデータとして捕捉できます。
探偵業法に基づく調査は、違法な手段に踏み込まず、それでも「証拠として耐え得る」データ形式で記録化します。撮影角度・撮影位置・記録方法なども、後の提出を見据えた仕様でまとめられるため「見た・撮った」ではなく“提出できる証明”として扱える形にできます。
証拠は“使える”前提でまとめられるため、必要に応じて弁護士・警察・海上保安庁へ橋渡しできる状態で整理できます。“疑い”のフェーズではなく、“判断できる材料に変換する”工程がここで初めて成立します。
記録から割り出した侵入経路・時間帯・接近速度・潮位タイミング等を“データ化”することで、実際の漁場設計にも反映可能です。単なる現行犯狙いではなく、漁場全体の防御性能を底上げする改善計画につながります。
漁師の“感覚”では行政・漁協は動けません。しかし、連続する映像ログ・入退域の時間差パターン・距離推定値が揃えば、意思決定者は動けます。つまり調査とは、個人の“感覚”を地域の“政策材料”へ変換するプロセスです。
密漁被害の解決事例と実際の費用感
解決事例1|沿岸漁業・アワビ漁師(個人)41歳からの依頼
「夜にライトがちらつく」程度の違和感から始まり、シーズン序盤で既に“例年比マイナス30%”。依頼者は証拠がないため漁協に言えず、単独監視にも限界を感じていました。探偵が夜間の海域最短接近距離・船の動線パターンを暗視+録音で可視化した結果、同一グループが同一時間帯に侵入しているパターンを特定。映像証拠が揃ったことで漁協・行政側と動くことができ、特定エリアの重点パトロールが実現しました。
- 夜間監視(船動線パターンの固定化):7日間 28万円
- 暗視+録音の証拠化:22万円
- 行政提出用レポート+海保対応助言:12万円
合計:約62万円
解決事例2|養殖業(陸上イケス) ※家族経営 54歳からの依頼
高単価のナマコが「朝になると数%ずつ減っている」状況が続き、自然減では説明できないと相談。探偵は夜間に海側からではなく「陸からの侵入」を前提に調査設計。暗所撮影と足跡導線の照合を行った結果、漁港の外部から入り込んでいた人物を特定。証拠を弁護士連携で整理し、示談→接触遮断→出荷計画回復の流れまでスムーズに完了。
- 陸側侵入ルートの静音観測:5日間 18万円
- 暗視+足跡導線照合:27万円
- 弁護士用証拠整理&報告書:15万円
合計:約60万円
解決事例3|海苔養殖組合(共同)代表 47歳からの依頼
例年にないスピードで“抜かれ”が発生し、複数漁師が同じ時間帯に不審船を認知。探偵は各漁師の視界ラインの時間差を解析し、夜間侵入の高速移動艇と低速作業艇の“2艇構成”での役割分担型犯行を特定。証拠は海上保安庁提出フォーマットに合わせて作成され、捜査協力とパトロール強化に即接続できた。
- 広域監視(複数視点の動線解析):10日間 45万円
- 夜間2艇構成犯行の映像固定化:38万円
- 保安庁向け提出文書作成:22万円
合計:約105万円
沿岸漁業の密漁から“漁場”と“売上”を守るために
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沿岸漁業における密漁は「盗られた瞬間の損失」だけでは終わりません。資源の回復は年単位で遅れ、販売単価の下落・次期の収支悪化・行政判断の遅延へと連鎖します。つまり“今の1回”ではなく“これから先数期分”の収益が削られるリスクです。現場の努力と見張りだけでは、夜間のルート変更・気付かれた後の隠蔽など、犯行側の変化を抑え切れません。だからこそ、第三者の静音調査で“証明できる形”に固定化することが、いちばん早く、いちばん被害を止められる手段になります。密漁は「気付いた時」には既に数字が積み上がっている犯罪です。違和感があるなら、先に動いた人のほうが救われます。相談は無料です。まずは声をかけてください。
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週刊文春に掲載 2025年6月5日号
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この記事の作成者
探偵調査員:北野
この記事は、はじめて探偵を利用される方や困りごとを解決するために探偵利用を考えている方に向けて、探偵の使い方をできるだけ分かりやすく知っていただくために調査員の目線で作成しました。探偵利用時に困っていることや、不安に感じていることがあれば、当相談室へお気軽にご相談ください。どんな小さなことでも、お力になれれば幸いです。
この記事の監修者
XP法律事務所:今井弁護士
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この記事の監修者
心理カウンセラー:大久保
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